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相続登記の際の被相続人の住民票について

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”被相続人の住所証明書には2つの要件があります

相続登記では、「被相続人の住所証明書」を提出します(住所証明書は住民票、戸籍の附票のいずれかです)。
この住所証明書は2つの要件を満たす必要があり、司法書士にとっても、実はこの住所証明書は非常に気をつかう部分でもあります。
単なる住所証明書とどこが違うのか、要件を満たさない場合はどうすればよいのかを確認しましょう。


◪ 要件1 本籍・住所が両方記載されていること
登記簿には所有者の「住所」が、戸籍には被相続人の「本籍」が記載されています。
このままでは所有者と被相続人が同一人であることを確認できません。
そのため、被相続人の住所証明書には本籍・住所の両方を記載し
「登記簿上 住所A」→「住所証明書 住所A・本籍B」→「戸籍 本籍B」という形で、登記簿の所有者と戸籍の被相続人とのつながりを持たせます。
なお、戸籍の附票を住所証明書として提出する場合には必ず本籍地が記載されています。一方、住民票の場合は本籍記載の有無を発行時に選択しますので、必ず「本籍記載有」で取得しましょう
◪ 要件2 「登記簿」と「死亡時」の住所変遷がつくこと
上記のとおり住所証明書は被相続人の同一性を確認するためのものです。
このため「登記簿上の住所」と「死亡時の住所」が違っている場合は
登記簿上 住所A」→「住所証明書 ×住所C・本籍B」→「戸籍 本籍B」
となり同一性が確認できません。
この場合は「登記簿上の住所A」から「死亡時の住所C」への移転の記載がある住所証明書で
「登記簿上 住所A」→「住所証明書 ○住所A→C・本籍B」→「戸籍 本籍B」
というように同一性を確認します。


◪ 住所のつながりがつかないときは住民票、戸籍の附票をすべて取ってみる

死亡時の住民票をとっても住所のつながりがつかないときは、過去の住民票、戸籍の附票を全て取得します。
住民票、戸籍の附票はそれぞれ別の期間の住所が記載されているため、どちらかでつながりがつかないときでも、他方でつながりがつくことがあります

◪ それでも住所のつながりがつかないときは上申書+αを提出
取得可能なすべての住民票、戸籍の附票をとっても住所のつながりがつかないときは、相続人全員の上申書+αを提出します。
・上申書は、相続登記の内容、物件を記載したうえで「下記相続登記を行うにあたり、住民票等の保管期限満了に伴い沿革のつく住所証明書が取得できないが、登記簿上の所有者と被相続人が同一人であることに相違ない」旨を記載します。
この上申書には相続人全員が実印を押印し、印鑑証明書を添付します。
・+αの書類は法務局ごとに異なりますので事前に法務局に確認が必要です。
一般的には「権利証」「固定資産税の課税明細書」「不在籍・不在住証明書」などの中から法務局の指示があるものを提出します。


司法書士が非常に気を使うのが「遺産分割協議書に全員の実印をもらった後に、再度上申書への押印が必要となった」というケースです。
住所証明書自体は簡単に取れますが、要件を満たしていないと再度全員の押印が必要となりますので記載内容には十分注意しましょう。

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