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債務の遺産分割はできるか?

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”債遺産分割できる?

相続が発生すると、被相続人の資産だけではなく、負債も相続人に相続されます。
ここでよく問題となるのが、資産同様、負債も遺産分割をすることで特定の相続人が引き継ぐことができるのかという点です。

 務の遺産分割の考え方


01 判例では遺産分割対象ならない
判例では債務は遺産分割の対象とならないとされています。
各相続人
当然に法定相続分で相続することとなり、相続後はそれぞれが債権者に対して返済義務を負うことになります。
02 遺産分割したとき債務引受の効果発生する
上記のとおり債務は遺産分割の対象となりませんが、当事者全員で遺産分割をしたときは「遺産分割」ではなく「債務引受」が成立したものとみなされます。
債務引受契約は意思表示のみで行うことができるため「遺産分割協議」「債務引受契約」という話し合いの形にこだわる必要がなく、当事者全員の合意があるのであれば法的効果を生じさせることに何ら不都合はないためです。
この債務引受契約の対外的な効力は、債権者の承諾の有無により異なります。
03 承諾がないと債権者には主張できない
債務引受契約は、
債権者の承諾があるときは他の相続人は債務を免れるのに対し、
債権者の承諾がないときは他の相続人は法定相続分の弁済義務を負います。
債権者の承諾があるとき 債務の遺産分割(債務引受)が債権者に対しても有効となり、以後は遺産分割協議に定められた相続人が債務を負担します。
債権者の承諾がないとき 債権者に対しては債務の遺産分割(債務引受)の効果を主張できず、各相続人は債権者から弁済を請求されたときは、自己の相続分に応じた債務を弁済しなければなりません。
但し、相続人間では有効ですので、債権者へ弁済をした相続人は、債務を引き継いだ相続人に対し、自らが弁済した金額を請求することができます。

上記のとおり、債務は遺産分割の対象となりませんが、遺産分割協議において承継者を定めた場合は「債務引受」の効力が発生します。
その効力は、債権者の承諾があるときは対外的に有効、ないときは相続人間では有効ですが債権者に対しては主張できない、ことになります。

 務の遺産分割の注意点


01 債権者承諾事前確認
相続人の合意で「不動産をもらう代わりに、それに伴う銀行からの借入も引き継ぐ」という分割がよくなされます。
ですが、このような分割は銀行側の承諾が得られるかを事前に確認してから行いましょう。
銀行側では借入時と同様に、債務をどの相続人が引き継ぐかの審査が必要となり、ケースによっては他の相続人が連帯保証人に入らないといけないケースもあります。
銀行側の回収可能性にも影響を与えるため、どのような条件で遺産分割を認めるかは銀行の自主的な判断に委ねられ、相続人の思惑通りに進まないこともあります。

02 遺産分割協議書記載正確
他の財産と異なり債権債務については特定の名称が付されているものではないため、債務を正確に特定できるように記載しましょう。
債権者、債務の種類、発生年月日、債権額などを下記のように記載するとよいでしょう。
「平成〇年〇月〇日付金銭消費貸借契約に基づき株式会社〇〇銀行に対して負担する債務 相続時残高金〇〇万円」
銀行の承諾が必要な場合は、押印前の遺産分割協議書案を事前に確認してもらったほうが良いでしょう。

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