資産管理会社による対策方法
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”収益物件をお持ちの方は資産管理会社のご検討を”
収益物件を長期で持ち続けるときは、法人保有の形態にすると税負担が軽減されることがあります。
対策効果が数字で明確に判断できるため、スキーム選択の可否が検討しやすい対策です。
資産管理会社の基本的な考え方
資産管理会社に収益不動産を移すことで、個人の所得税、相続税の負担軽減を図ります。
導入時に一定のコストがかかりますので、イニシャルコストを毎年の納税額、相続時の相続税額の軽減により期間をかけて回収していくという基本構造になります。
不動産収益が大きいほど効果が大きくなり、また導入時期が早いほどより大きなメリットを享受できます。
対策を検討したいときは?
税理士に試算・シミュレーションを依頼します。
目安として年間1000万円ぐらいの収益があれば効果がでることが予想されますので、税理士に試算してもらいましょう。
なお、税理士による効果試算・スキーム提案にあたっては費用がかかります。
ご検討中の方は当事務所から税理士に御見積をいただくこともできますのでご相談ください。
資産管理会社によるメリット・デメリットは?
メリットは継続的な税負担の軽減、相続税の削減効果、不動産の承継コストの削減です。
◪メリット1 継続的な税負担の軽減
個人の事業所得・不動産所得としてではなく法人からの役員報酬として受け取ります。
個人で直接受け取る場合と法人を通して受け取る場合の税負担の差、経費算入できる範囲の違いなどで、トータルの税負担が軽減されるケースが多いです。
◪メリット2 相続税の節税効果
個人所有のままであると年々個人資産が蓄積していき、相続時の資産額が増大していきます。
法人形態で保有・管理を行い、親族に役員報酬を支給することにより、予め資産を分散でき相続税額にダイレクトに影響がでます。
◪メリット3 不動産の承継コストの削減
不動産を個人名義で保有すると、相続時には不動産の名義変更が必要となります。
これを法人所有とすることにより、相続時には自社株の書き換えで承継を行うことができます。
一族で代々永続的に保有し続ける土地などはこの承継コストのメリットは大きくなります。
デメリットは導入コスト、ランニングコストです。
◪メリット1 導入コスト
法人設立費用:司法書士手数料を含めて概ね30万円前後かかります。
登録免許税:固定資産税評価額の(土地)1.5%(建物)2%かかります
不動産取得税:固定資産税評価額の(土地)1.5%(建物)3%~4%がかかります。
名義変更手数料:名義変更の際に司法書士手数料が概ね10万円~20万円前後かかります。
譲渡所得税:売却利益(資産管理会社への売却価格-購入価格)の約20%~40%についてかかります。
代々引き継いできた土地は購入価格が0円のことが多く、譲渡所得が高額になるためこのスキームで移転するのが難しいことがあります。このような場合は譲渡所得がかかりにくい建物のみを移すという手法を検討します。
◪デメリット2 税理士の顧問費用
顧問税理士への毎月顧問、毎年度ごとの決算申告費用として年間約50万円程度の費用がかかります。
関連ページ ●資産管理会社の設計に関する注意点
資産管理会社は最初にまとまったコストがかかりますので、その投下費用をどれくらいの期間で回収し、また相続税額がどれくらい軽減するのかを試算しましょう。
対策効果が数字で見えるため、スキーム選択の可否を判断しやすい対策です。
ご検討されたい方は税理士同席のもとお話をお伺いさせていただきますのでご相談下さい。