不動産の価格とは?どうやって調べる?
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”土地には四種類の評価方法があります”
■■■土地の四つの価格
土地には、1.時価(実勢価格)、2.公示価格、3.路線価、4.固定資産税評価額 の4つの価格があります。
相続においては、「遺留分」「相続税」「登録免許税」などそれぞれの局面ごとに適用される価格が違います。
まずは4つの価格の種類を確認しましょう。
時価は実際に取引が成立するときの金額です。
不動産をお持ちの方にとって関心が高い価格ですが、実際に取引が成立するまでは正確な価格が分からないため算定が難しい価格でもあります。
時価の簡易な算定方法としては「不動産業者等による査定書」、より正確な算定として「不動産鑑定士による鑑定評価」を用います。
なお、国土交通省のホームページ(「土地総合情報システム」)では、近時に成立した取引価格を公開していますので、大体の見込金額としてご参考ください。
公示価格とは国、自治体が適正な取引価格として算定する価格で毎年3月中旬ごろに発表されます。
時価が個別の不動産について実際に取引が成立するときの価格であるのに対し、公示価格は一定地点の適正な取引価格として国・自治体が算定する価格です。
その性質上、公示価格と時価は近似した金額になるため、大まかな時価を知りたいときに参考にすることができます。
公示価格についても同様に国土交通省のホームページ(「土地総合情報システム」)で確認することができます。
路線価とは国税庁が定める土地の価格で、相続税、贈与税の税額算定の際に用いられます。
道路(路線)ごとに1㎡あたりの価格を定め、その道路が接する土地について「路線価×土地面積」という計算で算定します。
路線価については国税庁のホームページ(「路線価図・評価倍率表」)で確認することができます。
固定資産税評価額とは各市区町村が決定する価格で、固定資産税、不動産取得税、登録免許税などの算定に用いられます。
毎年4月1日に価格が決定され、5月中旬ごろを目途に所有者に送付される固定資産税の課税明細書の中に記載されています。
この価格は原則所有者に対してのみ通知されますが、例外的に、相続手続きや不動産登記に必要となるときは、相続人や司法書士が証明書を取得することができます。
上記4つの価格のうち、建物については「時価」「固定資産税評価額」のみがあり、「公示価格」「路線価」はありません。
■■■どの価格を使う?
各手続きにおいて実際にどの価格が適用されるか順に見ていきましょう。
相続税
相続税の財産評価の際には、土地は「路線価」、建物は「固定資産評価額」が適用されます。
相続税がかかるかどうかの目安を知りたい場合は、この2つの価格で試算しましょう。
なお、土地については実際の相続税の申告時には、形状や立地などに基づき細かな補正率を適用して価格を求める必要があります。
この作業は専門の税理士でないと行うことが難しいので、正確な数字は相続税申告時に計算します。
登録免許税(不動産の名義変更)
法務局への名義変更時には登録免許税を納めることとなっており、この価格は
土地・建物ともに「固定資産評価額」×0.4%で算定します。
遺留分の算定
遺留分の算定時には土地・建物ともに「時価」を用います。
時価は算定が難しく、時価評価が必要な時は専門家に依頼することになります。
簡易な算定方法で足りるときは不動産業者等による簡易査定、より正確な算定が必要なときは不動産鑑定士による鑑定評価を行います。
簡易査定費用は5万~20万円程度、鑑定費用は10万円~数十万円程度の費用がかかります。
時価評価が必要なときは当事務所から不動産業者、不動産鑑定士をご紹介させていただくこともできますのでお気軽にご相談下さい。